日本地域福祉学会第36回大会(福岡大会)

日本地域福祉学会第36回大会(福岡大会)

プログラム

自由研究発表

(5月16日更新しました)

基調講演・対談

6月11日(土) 11:00~12:30

ポストコロナ時代に向けた地域福祉の現在・未来
<基調講演>
  • 講師:上野谷 加代子 氏(同志社大学名誉教授・学会前会長)
<対談>
  • 上野谷 加代子 氏(同志社大学名誉教授・学会前会長)
  • 小松 理佐子 氏(日本福祉大学教授・学会副会長)

新型コロナウイルスの感染拡大により、地域に多様な「つながり」を作り出そうとする地域福祉の実践は甚大な影響を受けた。いま、地域福祉研究や実践では、コロナ禍の中で浮き彫りになった課題に向き合いながら、新たな取組を模索することが求められている。また「地域共生社会政策」による包括的支援体制や重層的支援体制整備事業は、これまでのソーシャルワークやボランティア活動・市民活動にも大きな影響を与える。民生委員・児童委員の活動、共同募金活動など従来の地域福祉の到達点を踏まえながら、withコロナあるいはポストコロナ時代に向けて、地域福祉は何を議論し、どのような方向に向かうべきか、基調講演を通して共有したい。

また、基調講演の後には、<これからの地域福祉を語る>と題して基調講演者と聞き手との対談を企画している。両者の対話を通して、これからの地域福祉のあり方について、様々な角度からさらに議論を深めていきたい。

大会企画シンポジウム

6月11日(土) 13:30~16:30

コロナ禍により顕在化した社会福祉の諸問題を
地域福祉はどう受け止めるか
シンポジスト:
  • 高橋 俊行 氏(関西社協コミュニティワーカー協会会長)
  • 行岡 みち子 氏(グリーンコープ生活協同組合連合会生活再生事業推進室長)
  • 山野 則子 氏(大阪府立大学学長補佐・教授)
  • 葛西 リサ 氏(追手門学院大学准教授)
コメンテーター:
  • 高野 和良 氏(九州大学教授)
コーディネーター:
  • 村山 浩一郎 氏(福岡県立大学教授)

新型コロナウイルスの感染拡大は、非正規雇用やフリーランス等の不安定就労層、ひとり親家庭や外国籍住民等の不利な立場ある人々の生活を直撃し、コロナ禍の前から存在した多様な生活困窮の問題を一気に顕在化させた。また、コロナ禍の外出自粛などにより社会とつながる機会が失われる中で、高齢者や障害者の孤立、虐待、DV等の問題も深刻化している。そして、顕在化する様々な生活困難に対する既存のセーフティネットの脆弱性も改めて浮き彫りになり、緊急支援策の強化だけでなく、中長期的な支援の再構築が求められるようになっている。

本シンポジウムでは、以上のようなコロナ禍により顕在化した多様な社会福祉の課題を、実際の支援事例や調査結果等のエビデンスに基づいて把握した上で、そうした課題を地域福祉としてどう受け止めていけばよいか、研究者と現場実践者の双方の立場から問題提起し、これから求められる研究課題や実践課題を探求する。

日韓学術交流企画

6月12日(日) 11:00~12:30

韓国における生活困窮者の就労支援の動向
報告者:
韓国地域社会福祉学会会員
コメンテーター:
鏑木 奈津子 氏(上智大学准教授)
コーディネーター:
呉 世雄 氏(立命館大学准教授・学会事務局参与(国際交流担当))

韓国は2000年以降、生活保護制度(国民基礎生活保障制度)の中に、福祉的支援と合わせて就労支援を組み込んだ「自活事業」と呼ばれる自立生活支援事業を展開してきた。この事業は、生活困窮者の就労訓練や就労移行支援、さらには起業支援などの要素が含まれており、試行錯誤を重ねながらも一定の成果を果たしている。本企画では、韓国の生活保護制度における就労支援の仕組みや実践の動向について、コロナ禍の影響をも踏まえながら報告してもらう。韓国のそのようの支援の仕組みや実践のノウハウは、日本の生活困窮者自立支援制度における就労支援のあり方を検討するうえでも、多くの示唆を与えてくれるであろう。

開催地企画シンポジウム

6月12日(日) 13:30~16:00

多死社会における地域福祉活動
シンポジスト:
  • 栗田 将行 氏(福岡市社会福祉協議会・地域福祉部事業開発課長/住まい・まちづくりセンター所長)
  • 峰平 あけみ 氏(在宅ホスピスボランティアの会「手と手」副会長)
  • 馬場 みちえ 氏(福岡大学医学部看護学科准教授)
  • 林 隆一 氏(福岡大学医学部看護学科准教授)
コメンテーター:
  • 都築 光一 氏(東北福祉大学教授)
コーディネーター:
  • 孔 英珠 氏(西南学院大学講師)

在宅で終末期を迎えることを希望する人々は少なくない。多死社会化する地域社会で暮らす高齢者とその家族にとってどのような生活支援が必要なのであろうか。終末期にいたる高齢者を支える医療、看護、保健を中心としたサービスとともに、生活を支援する地域福祉活動が果たしている役割について考える。

終末期にいたる各段階で、地域社会との関係性を維持した生活をどのように支援することができるのかといった課題について、福岡県内の社会福祉協議会による死後事務対応などの取り組み事例をもとに現状と課題を確認し、福岡からの提言を共有したい。

公開研究会

6月12日(日) 13:30~15:30

地域福祉に求められる新たな方法論を探る
研究代表者:
  • 藤井 博志 氏(関西学院大学教授・学会理事)
  • 原田 正樹 氏(日本福祉大学教授・学会会長)

コロナ禍での生活困窮の増大、社会的孤立の進行、偏見や差別の問題など、地域福祉実践を取り巻く課題に直面している。また将来にむけて、人口減少と都市集中が二極化し、単身世帯化が進み、団塊世代を中心とした多死社会を迎えていくなど、地域社会は大きな変化のなかにある。

こうしたなか地域福祉の推進にむけて、コミュニティオーガナイジングやコミュニティデザイン、ファンドレイジングや中間支援組織論、また多文化共生やケアリングコミュニティ、持続可能な社会開発といった新たな視点や方法も開発されている。

そこで日本地域福祉学会として、「地域福祉の方法論研究プロジェクト」を組織して、求められる「地域福祉の方法論」について検討することになった。それは今日的に「住民主体」とは何かを問い直すことであり、住民主体による地域福祉の推進方法、さらには関係機関や団体による地域福祉ガバナンスの方法を明らかにしていくことである。

本シンポジウムでは、このプロジェクト研究の中間報告を行いつつ、2つのフィールド(大阪府箕面市NPO法人「くらしづくりネットワーク北芝」と東京都文京区社会福祉協議会)を舞台にして、新たな地域福祉の方法論の息吹を探る。